家賃(賃料)の消滅時効について

1.滞納賃料の時効期間

家賃(賃料)の消滅時効について

賃料のような債権の消滅時効期間は、原則として賃料の支払期限から5年間となります(民法166条1項1号)。

建物明渡完了までに滞納賃料を回収できない場合であっても、後日、賃借人の資産や勤務先(給与債権の存在)が明らかになることもあり得ます。

未払賃料の支払期限から時間が経過しており、消滅時効期間が迫っている場合であっても、上記のような回収可能性がありそうな事情がありましたら、ぜひご相談ください。

2.時効を止めるには

現行法上、時効を止める方法としては、時効の更新(旧民法における時効の中断)と時効の完成猶予(旧民法における時効の停止)の2つの制度が存在します。

以下、それぞれについて説明します。

(1)時効の更新

時効の更新のわかりやすいイメージとしては、時効期間が一度リセットされ、再度ゼロから時効が進行するというものになります。

そして、時効の更新事由はいくつか種類がありますが、

滞納賃料の時効を止める場面で使われるものとしては、「裁判上の請求」(民法147条1項1号、2項)が挙げられます。

具体的には、未払賃料請求訴訟を申し立て、これを認める判決が確定した場合には一度時効期間がリセットされ、再びゼロから時効が進行することになります。

(2)時効の完成猶予

時効の完成猶予をわかりやすいイメージとしては、時効の進行が一時的に停止するというイメージになります。

そして、時効の完成猶予事由のうち、滞納賃料の時効を止める場面で使われるものとしては、「催告」(民法150条)が挙げられます。

具体的には、裁判外で滞納賃料の請求をすることで時効の進行は停止することになります。

もっとも、時効の停止の効果は「6か月間」という暫定的なものに過ぎません。そのため、その間に未払賃料請求訴訟を申し立てて時効の更新(時効期間のリセット)をするという流れになります。

3.賃借人・保証人への請求と時効の更新

賃貸借契約では、賃借人に加え、保証人が存在することも多いといえます。

この場合には、賃借人だけではなく、保証人に対する債権の消滅時効も更新しておく必要があります。

保証人に対する消滅時効の更新には、以下の2つのパターンがあります。

(1)賃借人への請求

主債務者である賃借人に対する裁判上の請求により、保証人に対する債権の時効も更新されることになります(民法457条)。

(2)保証人への請求

当然、保証人に対する裁判上の請求により、保証人に対する債権の時効は更新されます。

他方、保証人に対する裁判上の請求だけでは、主債務者である賃借人に対する債権の時効は更新しないとされておりますので、この点に注意が必要となります。

4.賃借人が死亡した場合

消滅時効期間が経過する前に賃借人が死亡した場合、賃貸人は、賃借人の相続人に対して、滞納賃料の請求をすることができます。

そして、消滅時効を止めるための措置(時効の更新)についても、その相続人に対して行っていくことになります。

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